構想概要
本事業の連携構想概要
目的
本事業は、中南米諸国で取り組むべき地球規模の課題(例えば環境、資源エネルギー、食料、社会?経 済開発など)を解決するために、東京外大、農工大、電通大が連携して実践型グローバル人材を養成することを目的とします。
特に、東外大の強みである言語、リベラルアーツ及び地域研究の研究教育力、農工大の強みである環境?食料? エネルギー分野の研究力?技術力、電通大の強みである情報?通信技術(ICT)分野の研究力?技術力、を結集し、この人材養成プログラムを通して中南米諸国の社会経済の発展に貢献します。
事業の概要
本事業は、以下の4週間程度の短期型、6か月~1 年程度の中期型、ダブルディグリーを目指した長期型の三つの形態で、相互交流プログラムを実施します。
(1)短期型:異分野交流プログラム
中南米諸国の大学に、4週間程度派遣し、その中で、語学研修、課題解決型のワークショップ、さらに実践的な現地研修を組み合わせたプログラムを実施します。また中南米諸国からの学生に対しては、日本語?日本事情教育と、学生の専門性に合わせた課題を設定し、企業での短期研修を組み込んだ4週間の異分野交流プログラムを実施します。
(2)中期型:地域理解プログラム
東外大の学士課程においてスペイン語、ポルトガル語の基礎を身に付けている学部生と、農工大の農学府?工学府及び電通大の大学院生の間で、あらかじめ中南米諸国に関する地球規模の課題を設定し、その課題ごとに3大学の学生で構成するユニット(このユニットを「トリプレット」といいます。)を構成して、1)日本における事前協働セミナー、2)連携先大学における専門分野での学習と、定期的な現地での相互報告会、3)留学終了後のフォローアップからなる、6か月~1年程度の学生派遣プログラムを、現地の日系企業でのインターンシップと合わせて実施します。
他方、中南米諸国からは、まず、東外大の「機能強化」課題として重点的に拡充している日本語?日本 事情教育のプログラムを活用して日本語教育を行うとともに、受入学生の専門性に合わせた学部教育?大学院教育を各大学において実施する。加えて日本の企業等で1か月程度のインターンシップを実施します。
(3)長期型:ダブルディグリープログラム
平成 30 年度までに、連携先大学とそれぞれダブルディグリー制度を構築し、本プログラム終了後も継続的に学生の派遣?受入れができるようにします。
本事業の基底にある文理協働型人材像
本事業では、真の国際人として活躍できる実践型グローバル人材を養成します。
真の国際人?リーダーになるには、文化?言語?リベラルアーツと実践的な科学技術の知識を有し、幅広い国際的な視野を持ちながら現地が直面する課題を解決する能力を備えることが不可欠です。3大学による文理協働型のプログラムにより輩出する具体的な人材像は、以下のとおりです。
- 東外大:語学力を活かし、科学技術を含め総合的な観点から、中南米諸国が直面する課題を把握する能力もち、課題解決のためのチームを編成し、マネージメントできる能力をもつ人材。
- 農工大?電通大:中南米諸国が直面する課題を把握する能力をもち、環境?食料?エネルギー?ICT分野で持続可能な開発をけん引する能力をもつ人材。
参照:東外大でスペイン語?ポルトガル語の基礎を身に付けている学部生と、農工大と電通大の大学院生の間で、あらかじめ中南米諸国に関する地球規模の課題を設定し、その課題ごとに3大学の学生で構成するユニットのことを本事業では「トリプレット」と言います。
大学の国際化戦略と本事業の位置付け
本事業の実施にあたり、三大学はそれぞれ、次の国際化戦略を実施する。
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国立大学の中で唯一の外国語大学である東京外大は、世界の言語とそれを根底とする文化?社会に関する教 育研究を目的として設置され、現在では、世界の14地域、27言語を対象とする教育研究を行う、他に類例を見ない大学です。とりわけ平成26年5月には、10年後を見据え、第1に、真の多言語グローバル人材を養成する大学、第2に、日本から世界への発信を担う大学、第3に、世界の諸地域の知識?経験をもとに、日本の大学のグローバル化を支援する大学、たることを目指し「TUFS ネットワーク中核大学創成宣言」を策定しており、これらの目標などを踏まえ、大学の世界展開に向けた教育環境の構築に取り組んでいます。
東京農工大学
農工大は、大学憲章において、世界平和の維持と人類福祉の向上に貢献することを目標に、健全な科学技術の発展に資する教育研究活動の展開とその成果の発信を通じて、諸外国との学術的?文化的交流を深化させ、地球規模での共生持続型社会の構築に貢献することを謳っており、大学の世界展開に向けて教育環境の構築に取り組んでいます。
電気通信大学
電通大では、人類の持続的発展に貢献する知と技の創造と実践を目指し、三つの理念を掲げています。第一に、万人のための先端科学技術の教育研究、第二に、自ら情報発信する国際的研究者?技術者の育成、そして第三に、時代を切り拓く科学技術に関する創造的活動と、その実践を通しての社会との連携です。この第二の理念を実践するために、社会と技術への幅広い見識、国際性、倫理観を備えた、創造力と実践力のある研究者?技術者を育成することとし、「1」我が国の科学技術創造立国を弛まぬ教育と研究で支え、世界に貢献する実践力のある人材を育成します。2)高い倫理観、コミュニケーション能力、判断力を持つ指導的な研究者?技術者を育成します。3)学部教育と大学院教育の連携を推進し、大学院教育の高度化と多様化をより一層図ります。社会人教育を重視し、留学生の受け入れと送り出しを一層充実させます。」と謳っており、大学の国際化に向けて、教育研究環境の構築に取り組んでいます。
推進体制
プログラムを実施するための3大学実行委員会を設置し、学生の受入れ?派遣を実施します。3大学実行委員会において、数値目標を含んだ設定目標に照らし合わせて、自己評価を毎年1回実施し、当該評価に基づき改善を図ります。また、インターンシップ関連企業、中南米日本人会関係者などからなる有識者会議(外部評価委員会)を毎年1回開催し、より広範囲な観点から評価を受けることにより、実施内容の改善を図ります。