2013年7月 月次レポート(杉山香織 フランス)
月例レポート(7月)
ボルドー第三大学派遣 杉山香織
派遣最終月であった7月は、ボルドー第三大学の博士論文に用いるデータ収集を中心に行いました。ボルドー第三大学の博士論文では、フランス人日本語学習者の使用語彙について分析を行います。そこで、ボルドー第三大学の日本語課程の学生による、タスクに基づく話し言葉コーパスを構築しています。ここでのタスクとは、「自己紹介をしてください」というような書かれた指示について、口頭で答えてもらうものであり、全70問近くあります。これまでも、時間がある時を見計らって少しずつ学習者の会話を録音していましたが、7月中に目標人数を録音し終えることができました。最終的には、1年生から3年生の学部生の各7人と、修士以上で留学歴が1年以上ある学習者の7人の合計28名分の会話データ、およそ計14時間分の発話データを集めることができました。このことによって、学年ごとの語彙の習得の差を調べることや、留学経験の有無について比較することができると期待しています。
冒頭にも述べましたが、今月をもってITP-EUROPAによる派遣が終了となりました。派遣中には、第一目標であった欧宝体育平台_欧宝体育在线-app下载への博士論文の提出が叶い、国際学会での発表を含む5つの口頭発表と、1つの研究論文を執筆することができました。その他にも、ボルドー第三大学の研究室の先生方および大学院生との交流や、データ収集など、これからの研究生活への基盤を築くことができました。このような非常に有意義な11ヶ月間を過ごすことができたのは、ひとえにITP-EUROPAのご支援があったからこそです。この経験をもとに、帰国後も研究者としてさらなる成長ができるよう、これからも研究活動を続けて参ります。また、これまでの経験を還元できるよう、教育活動にも尽力して参りたいと思います。
最後になりましたが、今回の派遣に際して多大なご協力をいただきました先生方、事務局の方々に厚くお礼申し上げます。