2014年2月 月次レポート(説田英香 ドイツ)
2月レポート
説田英香
派遣先: フライブルク大学(ドイツ)
学期末ということもあり、2月は少々慌ただしかったが、中旬に冬学期が終了したため、月の後半は博士論文の執筆に集中することができた。学期中には併せて、毎週水曜日に開催されるコロキウムにも参加した。また、2月下旬には、欧宝体育平台_欧宝体育在线-app下载博士後期過程「発表論文又は未発表研究業績」の面接指導を受けた。
更に、先月執筆していた博士論文の第一章についての論文指導が、フライブルク大学の受入指導教員により行われた。内容的な理由から、ドイツ-トルコ間の「アンカラ協定」(1972年)を第二章に組み込むことを検討していたが、時系列に内容を展開させた方が読みやすいとのアドバイスを参考に、そのテーマは第一章に組み込むこととなった。まだまとめられていないこのテーマについての執筆も含め、第一章は今後、いくつかの修正が必要となった。この作業は、第二章および第三章を一通りまとめきった後に予定している。
今月は博士論文の第二章第一節および第二節の執筆にとりかかった(第二章は第四節までを予定)。第二章では、「帰国促進政策」に焦点を当て、1973?80年のドイツ連邦共和国(以下、ドイツ)における外国人政策を扱う予定である。1978年までの帰国促進政策の議論についての史料分析とまとめは、既に一通り終えていた。しかし、その段階で明らかではない点がいくつかあったため、追加の史料が必要とされた。従って、2013年11月にコブレンツ連邦文書館での史料収集を行った。今月は、その史料の分析と、これまでにまとめた内容の修正が中心となった。
今回は特に、1973?75年の連邦労働省による帰国促進政策案とその議論、そしてそれに関連し、1973年6月6日の連邦政府による外国人(雇用)政策方針に関する決議と、同年11月23日の外国人労働者「募集停止」の決議を扱った。一点目の帰国促進政策案については、期待していたような内容の史料を見つける事ができず、以前の分析結果を大幅に超えるような結果はでなかった。この点について、この先、更なる文書史料調査を行うかどうかについては、今後の論文執筆の進展具合に応じて、検討していきたい。二点目の1973年6月6日の決議については、その決議の経緯と背景を中心に調べた。そして、三点目の労働力募集停止については、とりわけ決議に対する労働力送出国の反応に着目した。その際、連邦文書館の史料に加え、外務省の文書館(ベルリン)にて収集していた史料も併せて扱った。
以上