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合字解

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初中終三聲,合而成字。初聲或在中聲之上,或在中聲之左。如君字?在?上,業字?在?左之類。中聲則圓者横者在初聲之下,??????是也。縦者在初聲之右,?????是也。如呑字?在?下,即字?在?下,侵字?在?右之類。終聲在初中之下,如君字?在?下,業字?在?下之類。

初中終の三声,合して字を成す。初声は或は中声の上に在り,或は中声の左に在り。君字の?は?の上に在り,業字の?は?の左に在るが如きの類なり。中声は則ち円たる者横なる者は初声の下に在り,??????是れなり。縦なる者は初声の右に在り,?????是れなり。呑字の?の?の下に在り,即字の?の?の下に在り,侵字の?の?の右に在るが如きの類なり。終声は初中の下に在り,君字の?の?の下に在り,業字の?の?の下に在るが如きの類なり。

初声?中声?終声の3つは,合わさって字をなす。初声はあるものは中声の上にあり,あるものは中声の左にある。「君」の字の?は?の上にあり,「業」の字の?は?の左にあるといった具合である。中声は丸いものと横長のものは初声の下にあり,??????がそれである。縦長のものは初声の右にあり,?????がそれである。「呑」の字の?は?の下にあり,「即」の字の?は?の下にあり,「侵」の字の?は?の右にあるとあった具合である。終声は初声?中声の下にあり,「君」の字の?は?の下にあり,「業」の字の?は?の下にあるといった具合である。

初聲二字三字合用並書,如諺語·?為地,為隻,·為隙之類。各自並書,如諺語·?為舌而·?為引,?·?為我愛人而?·?為人愛我,?·?為覆物而?·?為射之之類。中聲二字三字合用,如諺語·?為琴柱,·?為炬之類。終聲二字三字合用,如諺語?為土,·?為釣,·為酉時之類。其合用並書,自左而右,初中終三聲皆同。

初声の二字三字の合用並書は,諺語·?の地と為し,の隻と為し,·の隙と為すが如きの類なり。各自並書は,諺語の·?の舌と為せども·?の引と為し,?·?の我人を愛すと為せども?·?の人我を愛すを為し,?·?の物を覆ふを為せども?·?の之(これ)を射るを為すが如きの類なり。中声の二字三字の合用は,諺語·?の琴柱と為し,·?の炬と為すが如きの類なり。終声の二字三字の合用は,諺語?の土と為し,·?の釣と為し,·の酉時と為すが如きの類なり。其の合用並書は,左自(よ)り右にして,初中終の三声皆同じ。

初声を2字?3字合わせて用いて並べて書くのは,朝鮮語の·?が「地」で,が「片割れ」で,·が「隙間」といった類である。同じものを並べて書くのは,朝鮮語の·?が「舌」であるのに対し·?が「引く」で,?·?が「私は人を愛する」であるのに対し?·?が「人が私を愛する」で,?·?が「物を覆う」であるのに対し?·?が「これを射る」だといった類である。中声を2字?3字合わせて用いるのは,朝鮮語の·?が「琴柱」で,·?が「たいまつ」といった類である。終声を2字?3字合わせて用いるのは,朝鮮語の?が「土」で,·?が「釣」で,·が「酉の刻」といった類である。合わせて用い並べて書く場合は,左から右へ書き,初声?中声?終声の3つどれも同じ要領である。

異なる字母を並べて書くことを「合用並書」,同一字母を並べて書くことを「各自並書」と呼ぶ。
    ?,?,? のような左に ? があるものは,実際の音価がどうであったか明らかでない。? が濃音符号だったと見る学者もいれば,文字どおり[?]と発音したと見る学者もいる。
    ?·? は ?- (愛する)の第III語基形である。また ?·? は ?- にヴォイス接尾辞 -?- がついた受身形の第III語基形である。? という音素があったかどうかは,はっきりしない。ヴォイス接尾辞のついた形とつかない形が同一になるため,それを区別するために受身形を ? と表記した可能性もある。


文與諺雑用則有因字音而補以中終聲者,如孔子?魯?:?之類。

文と諺との雑用は則ち字音に因りて補ふに中終声を以てする者有り,孔子?魯?:?の如きの類なり。

漢字と朝鮮文字との混用は,漢字の音によっては中声や終声で補う場合がある。孔子?魯?:?(孔子ガ魯ノヒト)のような場合である。

漢字に続いて母音だけの字,子音だけの字,あるいは例にはないが初声がなく母音と終声だけの字が書かれることがある。これは当該の字が1つの音節をなさず,直前の漢字と合わせて1つの音節であることを表す。従って,「孔子?」は「コン?ザ?イ([ko?.dz?.i])」のように3音節で発音したのではなく「コン?ザィ([ko?.dz?i])」のように2音節で発音し,「魯?」は2音節「ノ?ス([no.s])」でなく1音節「ノ([nos])」のように発音したと思われる。


諺語平上去入,如?為弓而其聲平,:?為石而其聲上,·?為刀而其聲去,·?為筆而其聲入之類。凡字之左加一點為去聲,二點為上聲,無點為平聲。而文之入聲,與去聲相似。諺之入聲無定,或似平聲,如?為柱,?為脅。或似上聲,如:?為穀,:?為。或似去聲,如·?為釘,·?為口之類。其加點則與平上去同。平聲安而和,春也,萬物舒泰。上聲和而擧,夏也,萬物漸盛。去聲擧而壮,秋也,萬物成熟。入聲促而塞,冬也,萬物閉蔵。

諺語の平上去入は,?の弓と為して其の声平,:?の石と為して其の声上,·?の刀と為して其の声去,·?の筆と為して其の声入が如きの類なり。凡(およ)そ字の左に一点を加ふるは去声を為し,二点は上声を為し,無点は平声を為す。而して文の入声は,去声と相ひ似たり。諺の入声は定まる無し,或は平声に似て,?の柱と為し,?の脅と為すの如し。或は上声に似て,:?の穀と為し,:?のと為すが如し。或は去声に似て,·?の釘と為し,·?の口と為すが如きの類なり。其の加点するは則ち平上去と同じ。平声安らかにして和し,春なり,万物舒泰す。上声は和にして挙がり,夏なり,万物漸盛す。去声挙りて壮し,秋なり,万物成熟す。入声促して塞がり,冬なり,万物閉蔵す。

朝鮮語の平声?上声?去声?入声は,?が「弓」でその声は平声,:?が「石」でその声は上声,·?が「刀」でその声は去声,·?が「筆」でその声は入声といった類である。全ての場合に字の左に点を1つ加えると去声を表し,点2つは上声を表し,点のないものは平声を表す。だが,中国語の入声は去声と似かよっている。朝鮮語の入声は一定しておらず,あるときは平声に似ており,?が「柱」で,?が「脇」といった具合である。あるときは上声に似ており,:?が「穀」で,:?が「きぬ」といった具合である。あるときは去声に似ており,·?が「釘」で,·?が「口」といった具体である。その点を加えるやり方は平声?上声?去声の場合と同じである。平声は安らかで和やかであり,春である。万物はのんびりして安らかである。上声は和やかで挙がり,夏である。万物はようやく盛んである。去声は挙がって盛んであり,秋である。万物は成熟している。入声はつまっていて塞がっており,冬である。万物は閉じて収まっている。

初聲之?與?相似,於諺可以通用也。半舌有輕重二音。然韻書字母唯一,且國語雖不分輕重,皆得成音。若欲備用,則依脣輕例,?連書?下,為半舌輕音,舌乍附上顎。??起?聲,於國語無用。児童之言,邉野之語,或有之,當合二字而用。如,之類。其先縦後横,與他不同。

初声の?は?と相ひ似たり,諺に於て以て通用すべきなり。半舌に軽重二音有り。然れども韻書の字母は唯だ一つ,且つ国語軽重を分かたずと雖(いへど)も,皆音を成し得。若(も)し備へて用ゐんと欲すれば,則ち唇軽の例に依りて,?を?の下に連書すれば,半舌軽音と為り,舌乍(たちま)ち上に附く。??の?に起くる声は,国語に於て用無し。児童の言,邉野の語,或は之れ有り,当(まさ)に二字を合せて用ゐるべし。が如き類なり。其の縦を先して横を後するは,他と同じからず。

初声の?は?と似かよっており,朝鮮語では互いに通用させることができる。半舌音には軽重の2つの音があるが,中国の韻書での音は2つだけである。また,国語では軽重を分けないとはいえ,ともに音を成すことができる。もしものために用いようとするならば,唇軽音の例に従って,?を?の下に続けて書けば,半舌軽音となり,舌がさっと上あごに付く。?,?の?で始まる声は,国語では用いていない。児童の言葉や田舎の言葉には,ひょっとしてあるかもしれない。このときは2字を合せて用いればよい。のような具合である。それが縦長が先で横長が後なのは,他のものと同じではない。

訣曰
初聲在中聲左上   欲於諺用相同
中聲十一附初聲   圓横書下右書縦
欲書終聲在何處   初中聲下接着寫
初終合用各並書   中亦有合悉自左
諺之四聲何以辨   平聲則弓上則石
刀為去而筆為入   觀此四物他可識
音因左點四聲分   一去二上無點平
語入無定亦加點   文之入則似去聲
方言俚語萬不同   有聲無字書難通
一朝
制作侔神工           大東千古開朦朧

訣に曰く,
初声は中声の左?上に在り,?欲は諺に於て用ゐること相ひ同じ。
中声十一は初声に附け,円?横は下に書き,右書するは縦なり。
終声を書かんと欲すれば何處(いづく)にか在らん,初中声の下に接着して写す。
初?終の合用は各々並書し,中も亦た合有り悉(ことごと)く左に自る。
諺の四声は何を以て弁ぜん,平声は則ち弓,上は則ち石なり。
刀は去と為りて筆は入と為り,此の四物を観れば他は識るべし。
音は左点に因りて四声分かち,一は去,二は上,無点は平なり。
語の入は定まる無けれども亦た点を加へ,文の入は則ち去声に似る。
方言?俚語は万に同じからず,声有りて字無きは書きて通じ難し。
一朝の
制作は神工に侔(ひと)しく,大東千古朦朧を開けり。

要訣に言う。
初声は中声の左?上に置き,(?)?欲(?)は朝鮮語では同じように用いる。
中声11字は初声に付けるが,丸いもの?横長のもの下に書き,初声の右に書くものは縦長のものである。
終声をどこに書けばいいのか,初声?中声の下に付けて書く。
初声?終声の合用はそれぞれ並書し,中声も合用するが尽く左から始まる。
朝鮮語の四声はどのように区別するか,平声は弓(?),上声は石(?)である。
刀(?)は去声で筆(?)は入声であり,この4つを見れば他も分かるであろう。
音は左の点に基づいて四声を区分し,点が1つは去声,点が2つは上声,点がないのは平声である。
朝鮮語の入声は定まっていないがやはり点を加え,漢語の入声は去声に似ている。
方言?俚語は決して同じでないが,声があるのに字がないの書いても通じがたい。
一朝にしてお作りになったことは神のなす業に等しく,朝鮮の長年の暗闇を開いたのだ。